【受講料】
各パート(全3回)1,500円(学生 1,000円)
【定   員】
250名
【時   間】
18:30〜20:15(受付開始 17:45)
【場   所】
損保ジャパン本社ビル2F大会議室講座開催場所地図

パート3五感で感じる 自然・文化10月7・21・28日(火)

11月18日

イエ(家)コロジーでCO2削減!

赤星 たみこ 氏  漫画家・エッセイスト

企業から出るCO2削減は法規制などもあり、比較的進んできているようですが、家庭から出るCO2削減はなかなか難しいと言われています。そこで本日は、我が家で実践し、電気代やガス代を半減させ、灯油代を1/4にしたという様々なCO2削減の方法をご紹介したいと思います。

まず夏場の取組みからお話しましょう。我が家では簾(すだれ)を使いました。簾は窓の外側につけます。窓のアルミサッシのアルミは熱伝導性が高く、これが日射や外気で熱せられると家の中がどんどん温められてしまうからです。我が家は簾の設置により冷房の効き目が格段に変わりました。漫画を描く作業において、紙に汗を落としたり、紙自体に湿気を溜めたりするのは禁物ですので、冷房を使わざるを得ないのですが、簾をつけて以来、一日中冷房をつけ続ける必要がなくなり、午後2時頃には切ってしまっても快適な涼しさが続くようになりました。また、漫画を描く作業には飲み物が必須アイテムです。そこで、我が家ではペットボトルを有効にリユースしています。初めに水を半分入れたペットボトルを横に寝かして冷凍します。こうするとペットボトルの中に氷が縦にできます。濃い目に淹れたお茶をこの氷に沿わせて注ぐと、冷たいお茶がすぐに飲めます。

ところで、我が家では2004年にソーラーパネルを入れました。
月15,000円のローンを払っています。先程もお話しした通り、漫画制作をしていると冷房が欠かせません。
ある猛暑の年には、月50,000円という電気代を支払ったことがあります。そうでなくても夏場は平均30,000円位かかっていました。しかし、ソーラーパネルの導入により、電気代が10,000〜12,000円に減りました。さらに月平均5000円の売電もしています。このことから、月々の電気代がだいたい20,000円以上のご家庭はでソーラーパネルを入れた方がお得だと思います。もっとも、一般家庭でそこまで高額な電気代を払っている所は実際は少ないですから、これはまず事業者や企業が積極的に取り入れるべきです。こうして普及することで製造コストが下がり、一般家庭でもソーラーパネルを購入しやすくできるようになるわけですから、まず皆さんの会社などでも提案して頂ければと思います。

冬の省エネの例もいくつかご紹介しましょう。2004年に我が家をリフォームした時、リビングに障子を入れました。それまではカーテンの裾の辺りから冷気が漏れて来て寒かったのですが、障子に変えたことで、気密性が高まって結露がなくなり、その年の灯油代は2/3に減りました。また、このリビングは湿気を吸う障子紙と和紙の壁紙のおかげで、部屋全体として湿度を低くコントロールすることができ、夏場にも温度をあまり下げなくても快適さが維持されています。

93年に家を建てた時は普通の一重窓で結露もありました。それでアクリル板を窓の内側に取り付ける方法で二重窓を手作りしました。ガラス窓との間に2cmの空気の層ができ、これによって家がとても暖かくなりましたし、結露もなくなりました。電気代や灯油代が確実に変わりますし、夏場も外の熱気を室内に入れないという効果もあり、お薦めです。ほかには、カーテンで部屋を細かく区切ることも大きな効果を発揮しました。リビングとダイニングの間、玄関の上がりかまち、さらに玄関扉のすぐ内側などにカーテンをつけたところ、断熱効果が見違えるほど効率的になり、リビングでつけたストーブ1つで1階の主な部屋、2階の廊下が暖まるようになりました。世間では灯油代が大きく値上がりした2007〜2008年の冬、我が家では灯油の購入量が1/4になり灯油代がむしろ減ったほどです。その他、フローリングの部屋は、お風呂に敷くウレタンマットを敷きつめた上にカーペットを敷く、仕事場のデスクの足下は、敷毛布をデスクの縁に留めて簡易こたつを作るといったアイデアも実践しています。

家庭でのCO2削減のために私達にもできることが色々あります。今日のお話が皆さんの家庭でのエコアクションの実践の参考になればと願っています。

構成・文:宮崎伸勝/写真:黒須一彦(エコロジーオンライン