パート3
自然のチカラ
11/12(火)

レポート

トレッキングの楽しみ

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11/12(火)

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トレッキングの楽しみ

トレッキングの楽しみ

日本列島は、小さな大地に驚くほどバラエティー豊かな自然が広がる、奇跡のようなエリアです。四季の変化に富んだ日本の山や高原、森を歩いて楽しむトレッキング人口は、「山ガール」に代表されるように、老若男女を問わず全年齢で確実に増えつつあり、自然を生かした地域おこしのツールとしても注目されています。そんなトレッキングの魅力と楽しみ方を、トークとスライドショーでお伝えします。

橋谷 晃 氏

ネイチュアリングスクール木風舎代表

「感じる山歩き」の時代へ

戦後、山を歩くブームが二つありました。第一次登山ブームは1950年代、別名マナスルブームと言われました。日本の登山隊が、未踏峰だったヒマラヤの山・マナスルの登頂に成功したことから起きたブームで、「三人寄れば山岳会員」と言われるほど様々な職場や地域で山岳会が出来た時代です。第二次登山ブームは、90年代に中高年が主役となり、深田久弥さんが選んだ「日本百名山」の話題とともに起きました。やがて、それらの人々が更に歳を重ね山から遠ざかり、一頃ほどの勢いが無くなって来た時に起きたのが、今、第三の波と呼ばれている山ガールブームです。しかし私は、山ガールブームが来たのではなくて、山を楽しむ人々が、性別問わず全年齢に広がったということだと捉えています。その中で一番目立つのが、今まで山に最も縁遠いと思われていた若い女性だったということなのではないでしょうか。前回のこの講演でも取り上げていましたが、2012年の日経トレンディで、2013年のヒット予測ランキングの第1位が「日本型ロングトレイル」でした。正直、第1位は言い過ぎだろうという気がしますが、長い目で見ると「自然の中を歩くことが一般的になりますよ」という時代の幕開けなのかも知れません。すでに北米やヨーロッパでは自然の中を歩くことは一般的です。ロングトレイルは、山頂を目指すものではなく、山麓や森、草原、湿原、牧場、それらの繋がりにある町などを歩いて楽しむものですが、「○○山を登りました」ということではなく、ただ歩くということが、ようやく日本にも根付きつつあるのです。

ちょっと前までは、レジャーや旅行が物見遊山として捉えられ、「どこどこへ行った」ということ自体が価値だった時代がありました。今は、どこどこへ行くということ自体は当たり前の時代で、そこで普段出来ないどんな体験をして、心に何を感じたのかがレジャーの重点になってきています。山登りというと、最近は富士山と高尾山に特に人気が集中しているように、人は名前で山を選んでしまいがちです。でも、有名でなくてもいい山はたくさんありますし、日本は四季があり、行くのが一週間違うだけで風景は全然違うものになります。そう考えると行く場所は無限です。ですから、「○○山に登りました」で終わらずに、そこの自然を楽しんで欲しいと思います。その気持ちさえあれば、素敵な発見が向こうから飛び込んでくるのが山です。自然のメッセージを心に受けとめていくような山歩きを、ぜひ体験して頂ければと思います。

「山歩きをしてみたい」という人からよく聞かれること

Q.どんな山に行けばいいんでしょう?

初心者は高尾山や奥多摩などの低山しか行けないと考えがちです。でも、山には旬があります。真夏に低山に行くと、暑くて辛くて楽しくありません。例えば高尾山は、高尾山口から山頂までの標高差は約400mあります。私が好きな山の一つ・信州の篭ノ登山は、コース途中にある池の平駐車場から登ると、山頂までの標高差は約200mですが、山頂の標高は2000m。夏でも涼しいですし、日常とは全く違う風景を見ることができて、感動もより大きくなります。咲いている花、自然環境などの情報を調べてベストシーズンを探ることが、感動を得るためのポイントです。

Q.コースタイムの目安はどれくらいがいいですか?

これから始める人ならば、4時間以内を目安にして下さい。これより多いと自然を楽しむ余裕が少なくなってくるので、これ位のコースを一日かけて楽しむのが、豊かな時間を過ごすのにちょうどいいでしょう。コースタイムより速く登れることを自慢する人がいますが、それは、美術館の入口から出口までを何秒で駆け抜けたというようなもので、ゆっくり歩いて色々なことを感じ、心に何が残るかを大切にしてみて下さい。同時に、事故も少なくなります。

Q.ばてるのが心配です。トレーニングが必要ですか?

しないよりはした方がいいですが、より重要なのは、強くなることよりも上手に歩くことです。他のスポーツでも同じですが、大切なのは力の入れ方ではなく、力の抜き方、いかに力を入れずに登れるかなのです。

山の上り下りとは、片脚で支えることの繰り返しです。では、片脚で体を支える時、どんな体勢が一番疲れないでしょうか。直立して片脚を上げてみて下さい。この、体の線と脚の線が一本で結ばれている体勢が一番合理的な片脚での立ち方です。体軸を作ると表現されます。一方、体を曲げて腰を引いて軸を崩した体勢をとると、太腿の筋肉がプルプルしてきますよね。つまり軸が崩れ、脚に負荷がかかっているのです。ぜひ体軸を作って歩くことを心掛けて下さい。そのためのコツは3つです。

  1. 脚を前に出すのではなく、腰を前に出し、脚が腰の真下についてくる感覚で歩く。
  2. 小股で歩く。(そもそも①を意識したら、腰が出た分しか歩けません)
  3. 上体を起こす。

Q.普段の生活で出来るトレーニング法を教えて下さい

日頃、よく歩くことが一番ですが、漫然と歩くのではトレーニング効果はありません。自分のおへその下から脚が始まっていて、お尻から太ももの裏側にかけてが前に出るような歩き方を心掛けてみて下さい。そうすると、山登りに必要な太もも裏の筋肉が鍛えられます。

構成・文:宮崎伸勝/写真:黒須一彦(エコロジーオンライン

講座概要・会場地図(新宿・日本橋)

講座概要

受講料

各パート1,000円(学生500円) 1パート=105分の講座×3回
*受講料は講座当日に受付にて現金でお支払下さい。
*(公社)日本環境教育フォーラム会員の方で受講を希望される方は、お電話で同フォーラム(TEL03-3350-6770)へ直接お申込ください。
*ご入金後のキャンセルは致しかねますのでご了承ください。

定員

250名
パートごと申込可・定員になり次第締切といたします。

時間

パート1・3【新宿会場】18:30〜20:15(18:00受付開始)
パート2 【日本橋会場】14:30〜16:15(14:00受付開始)

申込先・お問い合わせ先

〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
(株)損害保険ジャパン CSR部内
「市民のための環境公開講座」事務局
TEL 03-3349-9598 FAX 03-3349-3304
Mail:ECo@sompo-japan.co.jp
(株)損害保険ジャパンと日本興亜損害保険(株)は2014年上半期の合併を予定しています。

主催・協賛

主催:(公社)日本環境教育フォーラム・
(公財)損保ジャパン環境財団・(株)損害保険ジャパン
協賛:日本興亜損害保険(株)

後援

環境省、文部科学省、東京都、新宿区、中央区、一般社団法人日本経済団体連合会、日本環境教育学会

個人情報の取扱について

申込書に記載いただいた個人情報は、本講座の受講のご案内等、講座の運営に必要な範囲で、事務局である、(公社)日本環境教育フォーラム、(公財)損保ジャパン環境財団、(株)損害保険ジャパン、の3者が取得、利用させていただきます。

会場地図

新宿会場(パート1・3)

損保ジャパン本社ビル 2F大会議室
東京都新宿区西新宿1-26-1 新宿駅西口より徒歩7分

日本橋会場(パート2)

日本興亜損害保険 日本橋ビル2F会議室 中央区日本橋2-2-10
地下鉄東京メトロ日本橋駅B0出口より徒歩1分

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